澤田様オーダー品

こちらのボードは、エフェクター修理のご相談でご来店いただいたお客様よりご依頼いただきました。
不具合のあるエフェクターはボードに設置されていた為、まずボード全体で動作確認をしてみましたところ、接続されているケーブル自体が潰れてしまっていたり、故障しているエフェクター由来では無いノイズも発生している事が判明しました。
その他にも気になる点が幾つも御座いましたので、この機会に「ボード修正」のご提案をさせて頂きましたところ「現在は殆ど使用していない機器もあるので、厳選して組み直しして欲しい」とご依頼を頂く事となりました。



ご依頼者様の使用方法をお聞きしまして、新たに4CM対応のJunction Boxを製作・設置する事と致しました。
今回使用したARMOR製のボードは、縁部分が奥に向けて傾斜している為、Junction Boxへの接続をスムーズに行える様20mm程嵩上げをしまして設置しております。
またこちらのJunction Boxは4CM接続の他、ギター⇒エフェクター⇒アンプと接続したい場合、ギター⇒JunctionBox(Input端子)、JunctionBox(Return端子)⇒アンプと接続する事で、全てのエフェクターがプリエフェクトとして直列接続されるような仕組みとなっています。



こちらのボードはスイッチャー等を使用しないシンプルなシステムとなりますので、On/Offを頻繁に行う機器を前列に配置しております。
エフェクターの固定方法については、ご依頼者様が以前よりネジ止め固定していた為、元々打ち込まれていたネジ穴を塞ぎつつ改めて今回の配置箇所へネジ止め固定しました。



左手前には多くのギタリストが今でも愛用しているLine6 DL4が設置されております。
本来こちらのエフェクターは専用アダプターを使用するのが一番安定する認識でいましたが、ご依頼者様は以前よりNoah'sark AC/DC-1で電源供給しており、その事により動作不良は起きていなかったという事でした。
念のため当店でも時間をかけて動作確認をし、結論として「このボードに関してはこの電源供給方法でも問題無し」という判断になりました。
（この供給方法での動作を確約するものではありません事をお断りしておきます。 同様の供給方法での機器の動作不良などにつきまして、当店では一切の責任を負いかねます。）



Electro-Harmonix/the WORM(旧タイプ)は24V駆動と特殊な為、付属アダプターで電源供給しております。
またパワーサプライのAC/DC-1は60mmと背が高い為、アダプターを接続した状態ではボード蓋が閉まらない(ボード蓋厚は85mm程度)為、ご依頼者様にご理解頂きボード使用時にアダプターをAC端子に挿し込んでご使用頂く事でご了承頂きました。
ケーブル類はCAJケーブル+Switchcraftプラグを採用。DCケーブルはコスト削減の為それまで使用していたケーブルを加工する事としました。

ここからは、澤田様のコメントです。

●ご依頼いただいた経緯・コンセプト

アンプの購入や修理で最近お世話になる中で、エフェクトボードの調子が悪かったためメンテナンスを依頼しようと思ったのがきっかけでした。
自分のエフェクトボードをみてもらい、いくつか問題点と改善点を提案いただいたので、思い切ってボードの再構築を依頼しました。
自分はそこまでエフェクターを多用するプレイスタイルではありませんでしたので、手持ちの機材とエフェクターをなるべくそのまま使いたい点と、ライブで使うもの、宅録で使うものとその接続順をお伝えしました。

●完成後の感想

まず1番驚いた点は、とにかくノイズが少ないことでした。
以前のセッティングだと、電源とエフェクターが合っていないところがある等、ノイズの原因が複数あったようですが、今回組んでいただいたボードはとにかくローノイズです。
また、ボードの組み方のご提案を複数いただけたことが自分にとってとても助かりました。
自分自身エフェクターや配線の知識に乏しかったのですが、手持ちの機材を最大限利用しつつ、パワーサプライやJunction Box等利便性を高める方法を教えていただけたことで安心して依頼することができました。
他にも、買い足していきたい機材の相談や、その際に効果的なシステム等も教えていただいたこともメリットに感じています。
今回、エフェクトボードを一新したことでサウンドクオリティが格段によくなり、電源、配線の重要性を再認識することができました。
専門家のアドバイスをいただきながら機材面での見直しができて、その結果自分の音が良くなるのは本当に楽しい経験でした。

この度は当店をご利用いただきましてありがとうございました。
今後共変わらぬご愛顧賜ります様お願い申し上げます。