エフェクト・ボード製作その20
名古屋在住 井上様オーダー品
当店と長いお付き合いをさせて頂いております井上様は、いつもはとても温厚で物腰の柔らかい方ですが、一度ギターサウンドの話になると熱っぽく語られるギタリストです★
そんな井上様より、昨年とんでもないご注文を頂きました。
「僕のC.A.Jで組んだシステムと同じ様なサウンドを1人で運べる位の簡易システムで組めないか?」
以前から私も存じ上げていました井上様のシステムはこちら。
この規模のシステムをどーやって簡易システムにすればいいのか。
正直悩みました。
プリはC.A.E 3+です。
VHTのパワーです。
時にOD100×2台使用した贅沢なセッティングもされます。
空間系ラックは・・・正に壁。言うまでもありません。
さて、どうしたものか。
そんな時に出会った凄いアンプがコレです★
当初は、日本では余りメジャーでなかったブランドですが、80年代のFenderアンプを設計したPaul Rivera氏の作り出す独特のサウンドがアメリカでは大変人気があり、多くのトップ・ギタリストも愛用しています♪
そんなRIVERAから発売されている”Venus Series”ですが、この”6”は滅多に入荷が無いんです。
そんなVenus6のサウンドですが・・・ハッキリ言って素晴らしい★の一言!
とにかくクリーンの立体感と音の密度があり、アコースティカルな倍音が心地良く響きます。
更にLead chも中域が非常に厚みがあり、Boost”ON”にする事で粘りのあるディストーションが得られます。
このディストーション・サウンドが、あのC.A.E 3+に負けず劣らず密度があってフルートの様な艶やかなトーンなんです♪
実際に井上様も、このアンプを試奏されて
「何コレ!正に僕が望んでいた理想のトーンが、こんなに簡単に得られるんですか?」
と、大興奮。
かくして一発でこのアンプを中心にしたシステムの構想が始まりました★
そして、今回辿り着いたシステムは、
”ギター→プリFX→アンプPRE→ポストFX→アンプPOWER”
基本的に「移動が出来るレベルの機材量」を第一に考えて、システムボードはこの様にコンパクトで纏めました。
ギターから一端ボードに入り、プリFX(Comp,Boost)を通してアンプのInputに戻します。
アンプのSendから出た信号をボードのポストFX(Chorus,Delay,Reverb)を通じてアンプReturnに戻します。
空間系エフェクターには、ラック並みの解像度・レスポンスと直感的に音作りが出来る・プリセットが記憶(1種類)可能などを考慮して、今巷で大人気の”Strymon”を組み込みました★
これはSend/Return間にも繋げるエフェクターで、非常に高品位なサウンドが作り出せるお勧め商品です!!
それらのFXのコントロールは全てMusicom EFX Mk3で一括制御★
このEFX Mk3はMIDI信号も出力出来るので、この信号を使ってアンプのch/Boost/Reverbコントロールをします。
残念ながらこのVenus6にはMIDI信号を受け付けるモジュールが搭載されていないので、今回RJM Mini Amp Gizm(MIDI Switcher)をインストールしました★
これでMIDI信号によってフットスイッチ同様にch/Boost/Reverbなどのコントロールが可能になります。
エフェクト・ボードは人気のPedaltrain2を使用。
しかしながらエフェクターの量も結構多い事から、今回Junction Boxの代わりにボードの側面に各種In/Out/MIDIプラグを直接取付けてみました♪
このPedaltrain自体がアルミ・シャーシという事もあり、アース対策にもピッタリ★
加工はちょっぴり面倒ですが、出来上がってみたら非常にスッキリと収まりました!!
エフェクターの電源もVoodoo PedalPower2plusを使用して、効率の良いシステムとなりました。
お引渡しの際は、実際に井上様と一緒にシステムの使用方法・呼び出し/記憶のやり方などを説明させて頂きまして、最後にご自身にて音のチェックをして頂きました★
その時の井上様の笑顔。新しい楽器を手にした時のギタリストの顔ってホント最高ですね。
それからしばらく、店内にはあのLAスタジオ系ギターサウンドが鳴り響いておりました♪
心地良いハーモ二クス・伸びやかなサスティーン・うねる様なフラッシーなフレーズの数々。
久し振りにこんな良い音を聴きました。
これからは、井上様のコメントです。
●こちらのボードのコンセプト:
以前から使用していた12U(汗)のラックシステムでステレオ出力という、正直持ち出しが出来ないシステムの音質をそのまま持ち出し可能な位にコンパクトに出来ないか?
●使用されたご感想:
C.A.A/OD-100×2、C.A.E/3+とVHTパワーで12Uラックと比較しました。
結果、質感はより繊細に空間系の掛かり方もステレオでは無いが、聴感的にも何ら劣らない素晴らしい出来栄えでした★
間違いなく今後のメインシステムとなります!!
そして今回御紹介頂いた”Venus6”の素晴らしい”LA”な出音には驚愕しました♪
ドクターMusicさんに製作して頂いて本当に良かったです!!
ありがとうございました。
こちらこそありがとうございました!!
そして、ご結婚おめでとうございます
素敵なご家庭とギターサウンドを作って下さいねっ♪
今後共宜しくお願いします。